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ベルサイユのばら

 ベルサイユのばらキンドル版、ついに買ってしまった。全9巻で、キンドルだと45%ポイント付いてきます。お得。

ベルサイユのばら(1)

ベルサイユのばら(1)

 

小学校2年のときに、アニメのベルばらにはまりました。でも全く内容は覚えておらず、最後にオスカルとアンドレが死ぬところ、オスカルが一度だけドレスを着て舞踏会に行くシーンだけ覚えてました。でも実際はすごく大人の話です。そして。とにかく悲劇。

フランス革命の話は遠藤周作の王妃マリーアントワネットが秀逸で、その世界観を崩したくなく、ベルばらの原作はずっと避けてきました。でも、良かったです。ベルばら。

 

王妃マリーアントワネット(上) (新潮文庫)

王妃マリーアントワネット(上) (新潮文庫)

 

 

王妃マリーアントワネット(下) (新潮文庫)

王妃マリーアントワネット(下) (新潮文庫)

 

オスカルかわいそうだよ、ジャルジェ将軍!

オスカルは架空の人物です。軍人の父に男として育てられた男装の麗人。でも普通にかわいそすぎる。思春期になって恋もしたいお年頃、そんな青春も捨てて男として軍人の仕事に徹するわけです。そりゃ葛藤あるわな。

でも結局は貴族のお嬢様としてお人形のように生きるのではなく、軍人という仕事を通してパリ市民の貧困を目の当たりにし、革命家の思想に触れ、最後は自分の意思で自由と平等の崇高な精神のもと、市民として革命に参加したわけだから、そういう意味では自分の意思を貫き通した幸せな人生だったのかも。

まさかのフェルゼンへの片思い!

フェルゼンはマリーアントワネットの愛人という歴史上の人物です。ベルばらではまさかの、このフェルゼンにオスカルが片思いするという大胆なストーリーなんですよね!昔アニメで見たオスカルがドレスを着て舞踏会に行くシーンは、フェルゼンへの片恋を断ち切るためのけじめという切ないシーンだったんだ。。。子供には分からなかった。。。

アンドレ、よかったねー! 

アンドレ、いろいろあったけど、最愛のオスカルと結ばれて良かったねー!フェルゼン以外の主人公全員死亡という悲劇だけど、オスカルとアンドレが相思相愛で結ばれてからの死亡、ということでそこまで悲壮感はないです。悲しいけどね。

フェルゼンとアントワネットの純愛

フェルゼンはアントワネットの愛人ですが、史実でも命の危険を冒してまで幽閉されているマリーアントワネットに会いに行き、二度目の亡命を策略するんですねー。これを知って、フェルゼンの愛は本物だと思いました。こんな純愛ってほんとうにあるんだ。すごいよ、フェルゼン!

ルイ16世はいい人

ルイ16世はいい人だったんだ。贅沢もせず、アントワネットとフェルゼンの恋も認めてあげて。自分たちは政略結婚で恋愛結婚ではなかったからね。かといって妾をつくるでもなく。

なぜオーストリアはアントワネットを亡命させなかったのか?

不可解なのが、フェルゼンばかり亡命の手助けをして、アントワネットの祖国のオーストリアが亡命に手を貸さなかったこと。アントワネットの兄弟たくさんいたでしょうに。。

男ばかりの職場で働く女の苦悩

ベルばらは王妃マリーアントワネットがオーストリアハプスブルク家からフランスに嫁いできてからフランス革命でギロチンにかけられるまでの史実にオスカルとアンドレという王室付き軍人とその従僕という架空の人物の物語を絡めた物語。でもなにげにオスカルが抱えている問題って、現代の様々な問題に通じるわけです。オスカルは軍人として王室付き近衛隊やフランス衛兵隊に入隊するわけですが、男ばかりの軍隊のなかで女、女、とバカにされるわけです。そこでオスカルは実力で勝負。男にもちろん媚びない。これって一昔前の、(あるいは今も)会社で戦う女性像だよね?部下や上官のセクハラにもよく耐えた!色んな意味でオスカルは偉いし、いらぬ苦労をしてきたのだ。

ただのマリーアントワネットの物語だけだったらこんなに有名にならなかっただろう。オスカルという美しく聡明で、男性に媚びない凛々しい女性がいたからこそ後世に残る傑作になったわけですねー。作者さん素晴らしい。